18歳の進路 団塊の世代と現在の若者

 

出典:2020/11/26 大学入学者選抜関連基礎資料集 大学入学者数等の推移https://www.mext.go.jp/content/20201126-mxt_daigakuc02-000011142_9.pdf
原資料は、年度ごとの18歳人口と、大学入学者・短大入学者・専門学校入学者・高校卒業者をグラフにしたものである。入学者には18歳以外の浪人後入学者も含まれている。
それに対しこのグラフではその年度に18歳になった人が生まれた年度を西暦表示している。

たとえば、わたしは1950年9月生まれで1969年3月(1968年度末)に高校を卒業したが、1年浪人して1970年4月に大学に入学した。このデータ上では1950年度生まれの高校卒業(非進学)者数と1951年度生まれ大学入学者数の両方にカウントされているはずである。

わたしが大学を卒業して半世紀が過ぎた。同世代の人たちの大学進学率はどれくらいだったか確かな記憶がないので調べてみた。当時の18歳人口は今の2.5倍もいて、大学に進学できる人は1割、国立や有名私立の大学に進める人は5%(20人に1人)くらいだった記憶がある。わたしは田舎出身なのでそんな感じだが、都会はもっと進学率が高かったはずなので上のグラフは概ねわたしの記憶が正しいことを示しているように思う。

成人年齢が18歳になった。自分自身の記憶を辿ると、大学を卒業して就職して1年経つくらいまでは、全く社会や世間のことに無頓着で無知であった。今の18歳は8割が進学し社会に出るのは2割しかいない。われわれの世代は逆に進学するのは2割で8割は社会に出ていた。田舎では中卒集団就職した人も多くいた。思い返してみると、同世代の8割の人たちと交流した経験が著しく少なかったように思う。それでは社会の現実の偏った一面しか見てこなかったことになる。

このグラフは実数である。1947年度生まれは249万人もいたが、2000年度生まれは半分以下の117万人しかいない。10年後の2033(令和14)年4月1日の18歳は98万人で100万人を切る。

18歳人口は著しく減ったが進学者数は大きく増えている。このような著しい変化が生じているのには様々な要因がある。豊かになり、子供の数が減り、経済構造が変わり、求められる人材が変わり、若者たちの考え方も大きく変わった。ここでは変化が大きいということを再認識するにとどめておこう。

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