DJI Action 2 わたしの使い方 

4センチ四方56gのとても小さくて軽い「カメラユニット」『だけ』を使って撮影するのがこのカメラの使い方である。だから防水も「カメラユニット」『だけ』になっている。もちろん「カメラユニット」を手で持って撮影することができるが、付属の「磁石式アタッチメント」を、壁や天井に貼り付ける/首から下げる/服に貼り付ける/自転車のハンドルに付ける/長い伸縮ポールの先に付ける、などして多様な方法で撮影することができる。その準備をしたうえで「カメラユニット」を「Powerユニット」から外して「磁石式アタッチメント」にパチッと結合する。パチッと一瞬で胸元にセットできるのは感動的である。電源を入れてスマートフォンの「DJI mimo」アプリに接続し、撮影条件や構図の確認と修正を行ない、スマホアプリの録画ボタンで「撮影を開始」する。カメラの向きはスマホで見ながら仰角と方向だけ調整し、水平維持されるので傾きの調整は必要ない。水の中に斜めに突っ込んでも水面は上に水平に映る。「カメラユニット」の「内部ストレージ」の録画可能時間は、わたしの録画条件だと23-25分と表示される。4K 30fpsでも60fpsでも変わらないのでおそらくビットレートが変わらないのであろう。わたしの場合はこのカメラで1場面(場所)10分以上長く撮影することはまずないと思うのでこれで十分である。またこうすると撮影しながら同時に「Powerユニット」から充電を受けないので発熱が抑制され撮影に支障が生じることも少ないであろう。

1場面(場所)の撮影を終えたら、『電源を切らずに』「磁石式アタッチメント」から外して「Powerユニット」にパチッと結合する。自動的に「カメラユニット」への充電が始まる。その際必ず「内部ストレージ」から「SDカードにエクスポート」する。背面モニター下スワイプ⇒ストレージアイコンタップ⇒「SDカードにエクスポート」をタップ⇒「確認」をタップ。すると背面モニターが消えカメラは「ロック状態」になる。ロック状態のまま放置してもエクスポートが終われば電力消費は僅かであろう。「ロック状態」から復帰するには背面モニターを上へスワイプする。まだ「SDカードにエクスポート中」であればその旨表示が出て、完了すると完了画面が出たあと「ストレージ」画面に復帰する。エクスポート完了後であれば「ロック状態」から上スワイプで「ストレージ」画面に復帰する。「内部ストレージ」のデータ量がなくなっていることでエクスポート完了を確認できる。もしまだ「SDカードにエクスポート中」に電源ボタン長押しでシャットダウンしようとしても全く動作しない安全機能がある(警告は出ない)。

「カメラユニット」は磁石とロック爪だけで「磁石式アタッチメント」に結合されるので、大きな力がかかった場合外れる可能性がある。その分取り付け取り外しはきわめて簡単なので、撮影しないときは必ず「カメラユニット」を「磁石式アタッチメント」から外して「Powerユニット」に結合してバッグなどにしまう。また「Powerユニット」と結合したまま「磁石式アタッチメント」に結合して撮影すると重量が倍以上になって外れる可能性が高くなる上、「カメラユニット」への充電で発熱が増える。1場面(場所)の撮影を終える都度「ストレージ」データをエクスポートすればエクスポートに要する時間は短くて済み、常に「内部ストレージ」の最大容量(約23GB)が使用可能な状態になる。わたしは撮影に使用する複数のカメラの1台として使うので、他のカメラを使って撮影するときは「カメラユニット」を「磁石式アタッチメント」から外して「Powerユニット」に結合してバッグなどに仕舞うことにする。他のカメラで撮影したりしているうちに「カメラユニット」の充電と撮影データの「SDカードにエクスポート」が完了する。撮影しないときはすぐ外す運用がきわめて重要だと思う。

 DJI Action 2 わたしの基本設定 

ストレージ」は「内部ストレージ」使用に設定。「カメラユニット」単体のときは設定にかかわらず「内部ストレージ」が使用されるが、「Powerユニット」と結合しているときも「内部ストレージ」が使用されるようにし、全て「内部ストレージ」から「SDカードにエクスポート」する撮影データの流れにしておく。
音声操作」は使用しない。カメラ操作はスマホアプリから行なう。
振動通知」はONに設定。自動的に電源が切れるのを事前に知ることができる。
スナップショット」は使用しない。ボタンはひとつしかないので操作はスマホアプリで行なう。
無線接続」は初期設定を変えない。スマホとの再接続が面倒になる。
動画圧縮」は「互換性(H.264)」に設定。録画可能時間を延ばすより互換安定を選ぶ。
」はONに設定。自動的に電源が切れるのを事前にアラームで確認できる。
グリッド線」は使用しない。
ちらつき防止」は「自動」に設定。実際にはシャッター速度を1/100秒以下に遅くしないとフリッカーは防止できないが、絞りがないカメラに有効な対策はない。
自動録画停止温度」のしきい値は「」に設定。わたしは長時間録画することはないが、環境によって高温になる場合はありうる。
画面オフ(ロック時)(1画面でのプレビューにのみ対応)」はONに設定。やや意味不明な項目であるが、背面・前面のデュアルモニタの切替が可能になる。自撮りする以外にデュアルモニタの使い道はない。これがOFFだと常時両方のモニタが見える状態になる。実際自撮りは「カメラユニット」だけで行った方が目線がカメラに向かってよいが、マイクが良くないという問題が残る。わたしは「カメラユニット」単体で撮影し自撮りはしないのでこれはどちらでもよい。
画面オフ(録画時)」は最短の3秒に設定。録画中の映像は基本的にスマホアプリで観るので少しでも電源消費と発熱を抑えたい。
自動電源オフ」は5分に設定。アラームが鳴るので電源を切りたくない場合は画面タッチで止められるが、30秒間隔は忙しすぎるので5分にした。
LED」はONに設定。充電中は緑点滅、満充電消灯、電源ON中緑、録画中赤点滅、とカメラの状態を確認できる。
マクロレンズ検出」はOFFに設定。マクロレンズを持っていないし使わない。
水平キャリブレーション」は必要な時に行なう。
その他は初期設定のまま。

 DJI Action 2 わたしの撮影条件設定 

通常は「動画」「4K」「30fps」もしくは「60fps」。電子的手振れ補正は水平維持もする4K最強の「HorizonBalancing(ホライズンバランス±45°)(HB)」に設定。60fpsはパンするなどゆっくり滑らかに再生したいシーンに使う。
長〜い伸縮ポールの先に付けた56gの「カメラユニット」を地表面から6~7mまで持ち上げて「ドローンライク」な映像を撮るには、「カメラユニット」が45°程度以上傾くと水平維持ができなくなるHBではだめなので、45°以上傾いても(180°傾いても)水平を維持できる「ホライゾンステディHS)」を使う。そのためには「2.7K」「60fps」に設定する必要がある。60fpsで撮って30fps再生に編集すると実際の半分の速度でゆっくり上昇しているようになる。これよりフレームレートを上げたスローにしようとするとHSは使えなくなる。
「デジタルズーム」は「1.0×」固定。もしどうしてもズームしたい場合は編集で「クロップ」するので撮影時にデジタルズームは使わない。もし使うとすれば生配信だけであろうがわたしは行う予定がない。
マイク」は、「カメラユニット」単体だと前面と右側面の2つのマイクしかなく防水カメラなのでマイク性能もあまりよくない。防水ではない「Powerユニット」の3つのマイクは高性能で指向方向も設定できる。しかし録音のためだけに「Powerユニット」をつけるのは気が進まない。もしどうしても録音したいときは、すでに持っている録音装置で外録りし、パンと手を叩くなどして音声タイミング合わせを行う。
露出」は「Auto」。「絞り」がないのでM(マニュアル)露出は「シャッター速度」しか調整できない。動画撮影では適正露出は大きく変化するので「シャッター速度=露出」を固定することはできない。
ホワイトバランス」も「AWB(オートホワイトバランス)」。動画の適正ホワイトバランスもどんどん変化するので固定すると多少問題が生じる場合がある。このカメラで陽光がない暗所や室内で撮影は行なわない。そういうところでは他のカメラを使う。
カラー」は「D-Cinelike」で撮って編集でカラーグレーディングする。
視野角」は、電子的手振れ補正を「HorizonBalancing(ホライズンバランス±45°)(HB)」や「ホライゾンステディ(HS)」に設定すると「標準(歪み補正)」固定になるがそれでも画角はじゅうぶんに広い。

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スマホやアクションカメラは、「レンズ交換式『ではない』カメラ」なので「絞り」がなく、センサーサイズ(受光面積)がきわめて小さいので「暗所性能が低い」。しかしその反面、小さくて軽くて安くて楽しいカメラを作ることができる。スマホはレンズを交換できない代わりに焦点距離の異なる複数のバックカメラを搭載してカメラを切り替えて使うことが普通になった。

DJI Action 2は、4センチ四方56gというとても小さくて軽い「カメラユニット」と「Powerユニット」に分離し、撮影の工夫の幅を拡げる「磁石式アタッチメント」を3つ同梱して、実質GoPro10の半値近い価格で販売されている。スモールセンサーカメラの強みをもっとも生かす素晴らしい戦略であると思う。

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