室蘭イタンキ浜の砂浜が美しいわけ




 2022年4月3日に室蘭イタンキ浜を訪れた。快晴で景観が素晴らしかっただけでなく、広い砂浜に流木や漂着ゴミがなく足跡さえもないことに驚いた。なぜこんなに無垢できれいな砂浜なのだろう。

海流を調べると、北太平洋から流れてくる親潮(千島海流)の一部が襟裳岬を回って室蘭イタンキ浜あたりまで流れ込むらしい。襟裳岬から室蘭までの日高胆振沿岸に大きな川の河口はなく、都市は苫小牧だけである。おそらくそれで流木や漂着ゴミが少ないのではないだろうか

潮位を調べると、2022年4月3日は月齢1.9で大潮であった。満潮は午前3時36分の148cmと16時9分の139cm、干潮は9時59分の20cmと22時2分の55cmであった。したがってこの日の潮位は高く潮位差は128cmもあったことになる。イタンキ浜を訪れたのは正午ころだから、大潮の干潮の約2時間後、次の満潮の約4時間前ころになる。おそらく満潮時に砂浜のほとんどが海になり、潮が引くとき足跡が消され海岸の漂着物も流されて砂浜は無垢の状態になったのではないだろうか。

しかし、近くの住人が散歩するであろう朝の時間帯はかなり潮が引いて砂浜が拡がっていたはずである。しかし砂浜に人の足跡がほぼない。快晴の穏やかな日曜日の朝にこの美しい砂浜を歩く人がほとんどいなかったということである。それがどうにも不思議でならない。

ちなみに、同日の石狩湾新港の満潮は午前5時22分の14cmと16時51分の13cm、干潮は11時11分の2cmと23時12分の‐6cmであった。この日の潮位は低く潮位差は僅か20cmしかなかった。石狩の広大な砂浜には石狩川という大河が流れ込み、冬の強烈な北風で様々な漂着物が打ち寄せられる。潮位差がきわめて小さいので、引き潮によって足跡が消されたり流木や漂着ゴミが流されるということはないのであろう。

石狩の砂浜を見慣れているので室蘭イタンキ浜の砂浜の無垢な美しさがとても強く印象に残った。

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