マニュアル動画撮影 イルミネーション

 

わたしのYouTube動画は基本的に景色・風景を撮影している。だからできるだけ晴れた日の晴れた場所を選んで撮影に出る。景色はやはり晴れた日の方が断然美しい。最近はもっぱらDJI Pocket 2というカメラを使って動画撮影をしている。わずか117gしかないのにジンバル一体型で水平安定した4K動画の撮影ができる。晴れて陽光が溢れているときはこのカメラで十分である。ところが曇って陽射しが遮られると画質ががくっと落ちる。これはセンサーサイズがきわめて小さいからである。センサーはスマホ上位機種と同じ1/1.7インチで面積は7.5×6.5mm=48.75平方mmで指先に載るような小ささである。

ちょうど今から2年前にNikon Z50というASP-Cセンサーカメラを買った。動機は冬の夜の街の風景を撮りたかったからである。センサー面積は23.5×15.7mm=368.95平方mmでDJI Pocket 2の7.57倍もあり沢山の光を取り込める。ダブルズームレンズキットを買ったがジンバルに載せて運用できるのは軽くて短い16-50mmの方だけである。カメラとレンズ合わせて585gでほぼ広角端16mm(35mm換算24mm)で街の風景を撮影した。ところが夜の街の風景動画撮影はカメラ任せのAutoでは上手くいかなかった。目には見えないイルミネーションの明滅が動画に映ってしまってチカチカするのである。

イルミネーションにも使われるLED照明の中には周波数50Hzの交流電流で1秒間に100回消えるものがある。これをフリッカー現象という。シャッター速度を1/100秒より速く(短く)して動画撮影すると周期的に消えている瞬間のコマが入ってしまう。この動画を再生すると消えているコマが人間にも見えて映像が明滅してしまう。したがって動画撮影のシャッター速度は1/100秒よりも遅く(長く)する必要がある。ところが沢山のLED照明で作られたイルミネーションはかなり明るいのでAuto撮影するとシャッター速度が1/100秒より速く(短く)なってしまう。これを避けるにはシャッター速度を「固定」する必要がある。わたしは映画と同じ1秒に24コマ(24fps)で撮影するので「1/50秒以下に固定」している。1コマの映像が適度に被写体ブレしていれば人間の眼には自然な動きに見えるからである。この適度な被写体ブレをモーションブラーという。撮影シャッター速度が速いとモーションブラーがなくなって再生動画がカクカクして見えてしまうことがある。

静止画写真撮影の場合は「シャッター速度」を固定するにはシャッター優先(S)モードを使うがNikon Z50は動画撮影でSモードは使えない。したがってマニュアルモード(M)で撮影することになる。すると「絞り」と「ISO」も設定する必要がある。全てを「固定」してしまうと明るさが変化していく動画は撮影できない。そこで「シャッター速度」と「絞り」は固定し「ISO」は指定範囲内で明るさに応じて自動で変化するよう設定する。

「絞り」はレンズが光を取り入れる穴の開き具合を調節する羽のような機構でレンズを覗けば見える。「絞り」は「F値」という数字で現される。「F値」が小さいほど開きが大きく光を多く取り込めるので明るくなる。だから「F値」の小さいレンズは明るいレンズと呼ばれる。Nikon Z50の標準キットズームレンズNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの「F値」は最も広角(広角端)16mmのときF3.5で最も望遠(望遠端)50mmのときF6.3である。ズームレンズはレンズの枚数が多くなるので「F値」は大きくならざるをえない。

「絞り」はピント(フォーカス)に密接に関係する。動画の場合はピントが合っている奥行き(被写界深度という)をどうしたいかによって決める。手前から遠くのものまでピンぼけなしにくっきり映したい(これをディープフォーカスもしくはパンフォーカスという)ときはF値を大きくする。逆に特定の被写体だけをくっきり映しその他は柔らかくピンぼけにしたい(これをシャロ―フォーカスという)ときはF値を小さくする。シャロ―フォーカスにするにはF値を小さくするだけでなくイメージセンサーサイズが大きい必要がある。したがって、イメージセンサーサイズが小さくF1.8固定のDJI Pocket 2ではシャロ―フォーカスは実現できない。Nikon Z50はイメージセンサーサイズがその7.57倍もあるが標準キットズームレンズの開放端がF3.5なのであまりシャロ―フォーカスにすることはできない。

映画の映像のようなシャロ―フォーカス(背景ボケ)の動画を撮ってみたいと思ってVILTROX AF 23mm F1.4 STM Zという焦点距離が固定でズームしない(単焦点の)明るいレンズを買った。F1.4開放固定にするとすごくシャロ―フォーカスになる。回転ずしで撮ったら寿司の一部分にしかピントが合わなかった。ピントが合っているものの輪郭に色が着くピーキング表示にしてレンズのフォーカスリングを使って窓の外に降っている雪片(snowflakes)にピントを合わせ固定(AF-L)して動画撮影した。雪がくっきり映り雪の向こうの景色が程よくボケて良い感じの動画になった。


さて、サッポロホワイトイルミネーションの動画撮影にこの単焦点レンズを使って映画のようなシャロ―フォーカスの映像を撮ってみたい。しかし標準ズームのF3.5でもイルミネーションを撮るとシャッター速度が速すぎてフリッカー現象が映ってしまった。シャッター速度を1/50秒固定・絞りをF1.4固定にすると明るすぎて映像が真っ白になってしまう可能性が高い。そこでNDフィルターを準備しておくことにした。NDフィルターをつければ絞りを開放したままで光量を減らすことができる。どのNDフィルターを揃えておくべきかを検討したのが最初の図である。

結論的にはND16/32/64の3つを揃えておくことにした。Nikon Z50とVILTROX AF 23mm F1.4 STM Zの組み合わせは軽量663gのジンバルFeiyutech G6 Plusに載せられる800gぎりぎりの750gなのでレンズの先につけるフィルターは最も軽いものにしなければならない。実地検証はこれからだがND16/32のどちらかではないかと推定している。どうなるだろう。

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生存期間 71年と75日 誕生日9月21日
石狩に住み始めて 4年と152日 2017年7月6日から
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