7年前の2014年10月13日に書いたFacebookノート「マッドメン（1960年の米国広告業界）」が2021年10月13日の過去の思い出として出てきた。Mad Menがアメリカの有線テレビAMCで放送開始されたのが2007年であるから偶然7年のサイクルになっている。
Facebookノートは廃止されて過去のノートの一覧を見ることができなくなったが、データは残っていてノートをアップしたのと同じ日に過去の思い出として出てきた。しかしノートはたくさん書いたはずなのに他のノートは思い出に出てきていない気がする。なぜだろう。
ともあれ、7年前はHuluでシーズン３まで一気見したがその先が観られなかった。今はAmazon Prime Videoでシーズン１～７まで全部観ることができる。その後の7年で視聴環境はずいぶん変わった。時間はたっぷりあるからシーズン１から観なおしてみようと思う。
7年前のFacebookノートを記録しなおしておくため新しい日記ブログ（これ）に再掲する。
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米国のテレビドラマ"MAD MEN"字幕版のシーズン1から3までを"Hulu"で一気に観た。マッドメンとは、ニューヨークマディソン街の広告業界の人たちが自分たちに付けたやや自虐的呼称ということのようである。もし、企業広告を収入源とする既存のテレビネットワークが広告業界を舞台にしたテレビドラマシリーズを作るとしたら、米国でも日本でも、企業経営者や企業や商品は架空の設定にせざるをえないであろう。ところが、このドラマでは、47年前のものではあるが実在の企業経営者や企業や商品が実名で出てくるのである。その上、出てくる人のほとんどがタバコを吸いまくり、仕事中も酒を飲みまくり、差別的な悪ふざけや悪いマナーで振舞う様子が随所に描かれる。誰に対しても遠慮や配慮がないので、逆に小気味よく、1960年の米国社会の雰囲気をリアルに伝えることに成功しているように感じられる。"MAD MEN"は、米国のケーブルテレビ局"AMC（American Movie Classics）"が初めて制作するオリジナルテレビドラマシリーズとして2007年から放送され始めた。AMCは、米国の96百万世帯（テレビセットを有する米国世帯の85％）が加入し、その収入は加入者の契約料・視聴料である。その代わりに、AMCは、広告宣伝を入れず、カットされていないオリジナル版の映画を放映することを保証している。そのAMCが、最初につくるオリジナルテレビドラマシリーズに広告業界を取り上げたのは、大いに意味があり、非常に挑戦的であり刺激的である。時代を1960年にしたのにも深い意味がある。当時はまだ写りの悪い白黒テレビではあったが、テレビCMや番組が人々のライフスタイルや消費行動に与える影響が高まり始めていて、初のテレビ討論のおかげでケネディがニクソンに逆転勝ちして大統領選に勝利した「メディア革命」の年とされてきたからである。
"MAD MEN"は、2008年から2011年まで4年（4シリーズ）連続してプライムタイム・エミー賞ドラマシリーズ部門作品賞を獲得した。しかし、出演者には有名スターは一人もいない。理想の夫婦役を演じる主役の二人は、ドラマの中ではタイロン・パワーとグレース・ケリーに例えられる美男美女であるが、ともに実績の少ない無名の俳優（女優）であった。視聴率を得ることがスポンサー企業の最大の期待であるが、映画産業の売上と製作費の規模が非常に大きい米国では有名スターは出演料が高くてテレビドラマシリーズには使えない。したがって、米国のテレビドラマでは製作や脚本がより重きをなしていて、むしろそれが米国のテレビドラマの品質を高めている。
米国の情報産業は多様化してきたが、全体の売上規模としてはそれほど成長してきてはいない。すなわち、新しいメディアが台頭し成長する半面で、既存のメディアが同じくらい衰退しているのである。かつては、テレビCMが時代を写しかつ金と手間もかけられているので一番面白く、見ていないと時代の流れを見失うような気がしたものだ。しかし、メディアの多様化が進んだ今日では、むしろみんなが観ていないようなものを観てみたいという嗜好の多様化が進んでいる。わたしの妻はいまも日本の民放地上波の話題のドラマを好むが、大量に録画しておいて自分の時間に合わせて後で録画番組を選んでCMを飛ばしながら観ている。わたしは、CMのない"Hulu"や、"AXN"や"スーパードラマTV"で、もっぱら米国のテレビドラマシリーズを観ているが、有料チャンネルの"AXN"や"スーパードラマTV"にもCMが入るのを非常に腹立たしく感じるので録画してから観ることにした。
"MAD MEN"のシーズン4を観てみたくて、いくつかの有料VOD（ビデオオンデマンド）サイトやDVDレンタルサイトで検索したがでてこなかった。既存の映画やテレビドラマとは製作方法だけでなく流通方法が違うのかもしれない。今観れる唯一の方法はDVDボックスを買うことだけのようだが、気に入ったドラマでもそこまで多額の支出をする気持ちにはなれない。
石狩に住み始めて 4年と100日 2017年7月6日から
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