新しい撮影機材を買おうとするたびにそれを買う理由をこのブログに書いてきた。つまりこれも自分を納得させあるいは大きな支出を正当化するためのメモ書きである。
2019年1月にわたしが動画撮影を始めたきっかけはスマホ用ジンバルに興味を持って買ったことだった。それからいろいろなアクションカメラやデジタル一眼カメラまで手を拡げた。デジタル一眼の映像は素晴らしいしカメラのメカニズムの基本を学ぶよい機会にもなった。しかし重いジンバルに重いカメラを搭載して撮影するのはとても難しく結局上手くいかなかった。そこでポケットに入る大きさのジンバル一体小型カメラ DJI Osmo Pocket(2018年12月発売)を買ってみた。その半年後に2代目のPocket 2が発売されたのでこれもすぐに買った。そうしてわたしは3代目の Pocket 3 まで使ってきた。軽くて小さいので長い棒の先につけて高い位置からのドローン風映像やクレーンショット風映像も撮影できるようになった。
ジンバルというのは、安定した滑らかな動画を撮影するためにカメラの向きを常に安定させる装置(カメラ・スタビライザー)である。パン(水平左右方向)チルト(垂直上下方向)ロール(傾きの度合)の3つの回転軸をモーターで制御してカメラの向きを安定させる。他方、スマホやアクションカメラは電子的ブレ補正を行う。そのためカメラが動いた映像の周辺の不一致部分が切り落とされる(クロップされる)。アクションカメラはクロップの大きさを考慮するとかなり広角のレンズが必要である。
DJIの空中撮影用ドローンにはジンバル一体小型カメラが搭載されている。DJIはRoninシリーズなどのプロ向けジンバルも販売している。またスエーデンのカメラメーカーハッセルブラッドを買収して子会社としている。DJI Osmo Pocket シリーズは、これらを土台に開発された。課題は軽さと小ささを損なわずに映像の画質を向上できるかということである。
4代目の Pocket 4 はすでに発売されているが正直あまり魅力を感じなかった。ところが最近 DJI Osmo Pocket 4P という新機種のスペックが公開された。ポイントは焦点距離35mm換算60mm相当の中望遠カメラを加えた2カメラ搭載となっていることである。DJIのドローンMavic 4 Pro にはハッセルブラッドのマイクロフォーサーズカメラを含む3つのカメラが搭載されている。その3カメラ搭載を期待していたので少しがっかりしたが、2カメラでも魅力はあるし、その方が重量が軽く価格が抑えられる。焦点距離35mm換算60mm相当・f2.0の中望遠カメラの被写界深度(ピントが合っている奥行)は、理論上、10m離れたところで約3m、5m離れたところで約80cmである。したがってこの中望遠カメラは適度に背景ボケした人物ポートレート撮影に適している。わたしは人物ポートレート撮影はしないが、遠くの景色が目で観ている相対的な大きさに近い映像になるのが嬉しい。遠くに観える美しい山が広角レンズで撮るとはるかに小さく映ってしまうのを避けることができる。また、最短撮影距離0.2mなのでマクロ的な近接拡大映像を撮影することができるかもしれない。
メインカメラのセンサーサイズは1インチでPocket 3と同じであるが、Pocket 3の4Kから8Kに画素数が4倍に増えたので1画素面積は4分の1になった。1画素面積が4分の1に小さくなると暗所性能が落ちる可能性がある。光学的焦点距離は35mm換算20mm相当で同じである。電子ズーム(デジタルズーム)は映像を切り取って(クロップして)拡大するだけである。画素数が8Kあると2倍まで4K維持(ロスレス)、3倍までフルHD以上の画素数の電子ズームができる。3倍以上ズームは60mm相当の中望遠カメラに切り替わって4K映像になる。2倍(20mm相当の6倍)の120mm相当までフルHD以上の精細さが確保される。精細さは落ちていくが最大20mm相当の12倍(60mm相当の4倍)の240mm相当まで電子ズームすることができる。
さて、問題は Pocket 4 Pで何をどう撮影するかである。ジンバル一体小型カメラであるDJI Osmo Pocket の最大の魅力は、カメラの位置を変えても水平が維持され、カメラが小さくて軽いので、長い自撮り棒の先に付けて高い位置からのドローン的映像やクレーンショット的映像を撮影することができることである。カメラをシネマチックに動かすことができるのである。しかしドローンのようにカメラから離れたところから映像を確認しながらカメラをコントロールしなければならない。わたしはWiFi接続スマホアプリ DJI Mimo を使って映像を確認しながら自撮り棒を動かしている。これには経験の蓄積が必要である。引き続き DJI Osmo Pocket シリーズを使い続けたいのはこの経験の蓄積を生かしたいからである。
スマホやアクションカメラなどの小型カメラは単焦点で機械的絞り機構がない。だから焦点距離の異なる複数のカメラを搭載するという荒業対処を行う。絞りがないので露出(Exposur)はシャッター速度(露光時間)とISO感度(電気信号増幅率)だけで自動調整(Auto Exposur)される。カメラの位置と方向を変えないシーンの撮影では手動設定もできるが、カメラの位置と方向を動かす場合は自動が基本である。
明るいところでは、ISO感度が下限(増幅なし)になりシャッター速度が速く(露光時間が短く)なる。すると動きを滑らかにするモーションブラー(動きによるブレ)がなくなり被写体の動きが滑らかではなくなる(カクカクする)。そこでカメラのサングラスであるNDフィルターを装着して透過光量を抑え、シャッター速度を遅く(露光時間を長く)する。新しい小型カメラを買うとそれ専用のNDフィルターを買う必要がある。
一方、暗いところでは、シャッター速度(露光時間)は1秒間の撮影コマ数(フレームレート:fps)より露光時間を長くできないので、ISO感度(電気信号増幅率)を上げて撮影することになる。暗所では取り込める映像信号が少ないので増幅し過ぎると画質劣化が目立つようになる。1画素面積が小さい(センサーサイズが小さい)と取り込める映像信号が少なくなるのでISO感度を上げると画質劣化が起こりやすい。
わたしはアクションも自撮り(Vlog)もせずもっぱら景色や花や鳥などを撮るだけで満足している。しかし新しいカメラはやはり欲しくなる。カメラが趣味の老人はたいていそうであろう。
さて、Pocket 4Pを買おうと思い始めて撮影意欲が蘇ってきた。それでPocket 3で札幌の百合が原公園のローズウオークを撮影してきた。ホワイトバランスを自動にせずに固定値に設定したままだったミスがあったが、映像をみるとPcket 3の映像もなかなか良いなぁと思えて来た。それでも意欲を失わないために新しいカメラを買いたいと思う。
補足:
コントローラーとして使っているわたしの格安スマホの有機EL画面の最大輝度は600ニトで高価格帯スマホより輝度がだいぶ低い。そのため強い陽射しの下では画面が見えなくなる。そこでドローン・コントローラー(プロポ)で使っていたスマホ・スクリーン・シェイドを使ってみた。直接の陽光は遮ることができたが、明るいところにいる自分の顔が画面に映り込んでしまう。そこでスマホのアンチグレア(反射防止)保護フィルムを注文した。
これまで、コントローラーとして使うスマホは、先端にカメラを付けている長い棒の手元部分に取り付けていた。しかしそれではコントローラーをドローンにぶら下げているようなものでとても扱いにくかった。そこでスマホを首から下げてハンズフリーで画面を観ることができる首掛けスマホホルダーを注文した。想定どおりカメラ操作がより容易になるだろうか。

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